暗闇の中で輝く生命の神秘 Valentino(ヴァレンティノ)2026年春夏コレクション

前回のDavid Lynch(デイヴィッド・リンチ)の映画にインスピレーションを受けた赤一色で装飾された空間と対照的に今回は静寂な雰囲気のファッションショーであった。

Alessandro Michele(アレッサンドロ・ミケーレ)は第二次世界大戦時中にイタリアボローニャ大学の人文学部に通っていた学生であるPier Paolo Pasolini(ピエル・パオロ・パゾリーニ)が友人に送った手紙に感銘を受けた。

その手紙には戦争の時期、街に光りが灯っていない真夜中に見かけた多数のホタルが作る生命の神秘的な光りに希望を見出し、お互いが光りに惹きつけ合い愛する姿に羨望したということが書かれていた。

Micheleにとって初々しい学生がホタルの光に純粋に魅入られる手紙の内容が若手デザイナー時代の希望に満ちたどんなことにも心が躍った感情を呼び起こした。

“FIREFLIES”(「ホタル」と題されたファッションショーの会場は無数に渦巻くライトがホテルの光を模して黒に染まった会場を灯していた。

会場のデザインは比較的落ち着いたいたが緻密なデザインのルックはバリエーションが豊かでセンスがある色使いからも妥協のない創造性が詰まっていた。

Valentinoの伝統的なコードに沿いながらも新たな息吹を控えめに吹き込んだような誌的なデザインとなっていた。

透け感のある優雅な刺繍、水玉やボタニカルプリントのブラウスに前方向にスリットやドレープで歪んだペンシルスカートを合わせて胸元にコサージュを飾ったルックなどがその代表である。

フロントにリボンとギャザーの装飾が入ったブラウス、大きなリボンが付いたジャケットやフリルスカートのようなワンピースといったデザインにも注目である。

流れるようなドレープが美しいペールカラーのドレス、豪華な装飾の透け感のあるドレスやスパンコールのドレスなどファッションショーの後半にかけて登場したイブニングルックはどれも個性的なデザインで華々しい内容であった。

Back To Top