トレンドに縛られずリアルを反映するブランドVETEMENTS

VETEMENTSはフランス・パリ発のストリート色の強いハイブランド

今回の記事ではVETEMENTS(ヴェトモン)というブランドを紹介します。

芸能人や海外セレブなどにも愛用されているパリを拠点とするハイブランドです。創業者とブランド設立の背景やVETEMENTSのコレクションについて詳しく解説します。

ソ連の崩壊と資本主義の生活の衝撃

創業者のDemna Gvasalia(デムナ・ヴァザリア)とGuram Gvasalia(グラム・ヴァザリア)兄弟は、ジョージア(グルジア)という北にロシア、南にトルコ、西に黒海が接している中東、または西アジアに属する国で誕生しました。

彼の誕生した当初はジョージアはソ連の支配下で、社会主義の政策が実行されていた世界で子ども時代を過ごしました。

ソ連の崩壊後は、ジョージアは独立して国民は自由な生活を手にしました。西側諸国の文化が入り込んできて彼にとっても大きな衝撃でした。その衝撃の大きさはいまもな彼のデザインに影響を与え続けているほどです。

2016年シーズンの春夏コレクションショーが、パリにあるベルヴィルの中華街のレストランで実施されましたがそのなかでもDHLのロゴの黄色のTシャツが当時話題になりました。

西欧諸国の資本主義により生まれた大企業のロゴをそのまま使用するという攻めたデザインとファッションショーでした。

2020年シーズンの春夏コレクションショーが、パリのあるマクドナルドの店舗で実施されました。

現在の利益だけを追求するファッション業界に対する皮肉がデザインなどショー全体に散りばめられていました。

 

ソ連が崩壊してジョージアが独立して初めてオープンした西側諸国のお店がマクドナルドでした。当時、マクドナルドで誕生日などのパーティをすることがクールとされていました。

時が流れマクドナルドでファッションショーを実施するというジョージア出身のデムナの個人的な想いが込められています。

ファッション業界の資本主義的アプローチへの風刺

デムナは学生時代からいわゆるファッションオタクでした。制服をカスタマイズして周りの人とは違う独自のファッションを楽しんでいました。

ジョージアの大学で経済学を学んだあとベルギーに移住して、学費の比較的安価であったアントワープ王立芸術アカデミーでファッションに絞り勉強を開始します。

アントワープ王立芸術アカデミーを卒業後はMaison Margiela(メゾン・マルジェラ)でデザイナーとして下積み時代を過ごします。

その後、Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン)のデザイナーに引き抜かれ一流ハイブランドのデザイナーとして活躍します。

ルイ・ヴィトンのグローバルの一流ファッションブランドでの、現在のファッション業界の利益の追求、トレンドを意識したデザインなどデザインにおける複雑なプロセスを体験します。

純粋にファッションにも焦点をあて、消費者である人々が本当に着用したい洋服を制作したいという想いからデムナは弟のグラムと一緒にVETEMENTSを2014年に創造しました。

実際にVETEMENTSのデザインは主に街のなかの人々のファッションに影響されデザインされています。

デザインの特徴としてはオーバーサイズ、グラフィックスが強調してプリントされたデザインなどストリート色が強めです。

設立して間もなく発表された2015年シーズンの秋冬コレクションショーでは、パリの有名なLe Depotというゲイ専用のナイトクラブで実施されるのでかなりアンダーグランドな雰囲気でした。

デムナもVETEMENTSは現在のように世界的に人気と支持を得られたことに驚愕していました。

ファッションに敏感な層をターゲットとしていたが、良くも悪くも海外セレブなど有名人が多数着用した結果、グローバルで人気と知名度を獲得しています。

デムナは新しい挑戦として2019年からBalenciaga(バレンシアガ)のデザイナーとして引き抜かれVETEMENTSは弟のグラムにより受け継がれました。

最新の2023年シーズンの春夏コレクションショーでは、ロシアによるウクライナ侵攻というジョージア出身のグラムにとって暗いニュースに影響を受けています。

ジョージアが冷戦後、ソ連から独立した当時の生活で来ていた衣服をモチーフにしてデザインされています。